「ウルトラQ」について書いてみたくなりました

「ウルトラQ」は1966年TBS系で放送された空想科学特撮番組です。
日曜日19時から30分の枠は、円谷プロダクション作品では「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」と続きます。

「ウルトラQ」が放送された当時、私は小学校低学年でしたが、円谷英二氏やおとなの人達が本気で作っている感覚がひしひしと伝わってきて、幼い私も本気でそれを受け止めようとテレビにかじりついて観ていました。
そのおかげで発達途上のまだ柔らかかった私の脳に、様々な新しい回路ができあがっていったのも確かです。
漫画を描き始める事になったきっかけの一つでもあります。

現在、ご活躍中のクリエイターの皆様の中にも、子供の頃「ウルトラQ」「ウルトラマン」の洗礼を受けた方が多数いらっしゃると思います。
「岩井俊二のMOVIEラボ」(ETV)に出演された庵野秀明監督も「未だウルトラマンの呪縛から逃れられないでいる。」と語られていましたが、よくわかります。
簡単に言ってしまえばその時代を生きて出会っただけのことですが、それこそが深い意味を秘めているように思います。

最後に、ご存知のない方に・・・「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」はまったく別世界の話で連続性はありません。(私的にはウルトラマンを最初に見た時は得体が知れず不気味で怖かったです。) 「怪奇大作戦」は多くの子供たちに数々のトラウマを植え付けた題材を選ばない純度の高いホラー作品です。

リアリティー回想記 「塊(かたまり)」

最初にあったのは、環境問題を取り上げてみようという事でした。
当時1980年代後半、しきりに報道されていたのは、温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)による地球温暖化、酸性雨、魚などに含まれるダイオキシン、オゾンホールの拡大に伴うフロン等の規制などでした。

例えば酸性雨などは、硫黄や窒素酸化物が大気中の水や酸素、紫外線と反応して強酸性の物質に変化し雨となって樹木や土壌にダメージを与えるというものですが、一つ一つを扱うより、包括的かつ象徴的に環境全体の危機として描けないものかと模索するうちに、子供のころ夢中になった特撮番組の1エピソードが頭の中に浮かびました。
それが「ウルトラQ」の第11話「バルンガ」です。

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