リアリティー回想記 「高野聖」 前編

「高野聖」でまず触れておかなければならないのは、当時近未来として描いた物語が2011年だったという事です。
ご存知の通り2011年3月東日本大震災があり、不幸にも未曾有の津波災害と福島原発事故が発生しました。「高野聖」の内容からこの偶然の符号をTwitterで指摘されていた方が何人かいらっしゃいました。
本人としては、1988年執筆当時、近未来として設定した敦賀の舞台が20数年後だった事は覚えていますが、なぜ2011年にしたのかは自分でもはっきりしません。やはり偶然としかいいようがないのです。

東日本大震災で被災された方々、原発事故で失われた日常が未だ戻ることなく避難を余儀なくされている方々に、この場を借りて深く御見舞い申し上げます。

「高野聖」のオープニング。
「新敦賀」という架空の駅を目指す新幹線車両(おそらく200系)。
原発事故後、地域の復興事業の一つとして莫大な予算をかけ政府が推し進めたであろう整備計画で、すでに北陸新幹線が走っています。

泉鏡花の「高野聖」という小説がなぜ原発事故のテーマとつながり、敦賀とつながったのか・・・
次回、泉鏡花の原作や広瀬隆氏の著作について触れてみたいと思います。