リアリティー回想記 「学校の怪談」

「学校」は、広大な敷地、多様な設備、授業中と休み時間、放課後の雑然、春夏秋冬と昼と夜など、様々な顔を持つ時空間です。

1987年当時買い求めた松谷みよ子先生の「現代民話考 第二期Ⅱ 学校  笑いと怪談・子供たちの銃後・学童疎開・学徒動員」(立風書房刊)は大変興味深い著作で、「学校」と「怪談」を考える入り口となりました。
一つ一つの「怪談」の事象は、掴みどころが無く他愛のない様な話ではありますが、「学校」という場所がその存在を意味ありげに見せていく「装置」となっているように感じ、そのからくりを描けたらと創作を始めました。

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リアリティー回想記 「夢十夜」

もともとは創刊される予定の総合誌用読み切り漫画として依頼されたものが中止となり、スライドする形で週刊ヤングジャンプ月一シリーズ「リアリティー’88」の最初の作品として掲載される運びとなった事を覚えています。
かねてより夏目漱石の「夢十夜」、特に「第三夜」とラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「骨董」の中の「常識」という話を映像化(漫画化)してみたいという願望がありました。担当編集者との打ち合わせで「夢十夜」をやってみてはと承諾をいただき、ネームにとりかかりました。

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