新人作家時代の素描 (8)

「カゴメ」執筆後、ビジネスジャンプ編集部に移動した前の担当編集者さんからお話がきて、「リントハイムの石」とういう読み切り短編を創刊間もない雑誌(ビジネスジャンプ1985年12月号)に掲載していただきました。
この作品はスプラッターホラーというような内容で、純粋な娯楽作品を目指して描いたのはこれが最初だったような気がします。作家になって初めてファンレターもいただき、嬉しくもあり気恥ずかしい感覚を味わいました。

「リントハイムの石」より数ページを抜粋してみました。
この辺りまでが私の「新人作家時代」と呼べるものでしょうか。

当初、自分の「新人作家時代」を顧みることは実は至極気乗りのしない行為でした。
おそらく、できれば封印しておきたい拙く恥ずかしい記憶がそこにあるだろうと考えたからです。
しかしいざ過去をたどり記憶を紐解いてみると、実際そこにあったのは「理想に向かってひた走る熱を帯びた自分の姿」でした。
いったいどこまでが「新人」で、どこからが「新人」でなくなるのか???
私の場合、絶えず新しい表現を求め今までにない漫画を描いてやろうという熱のようなエネルギーに満ちた日々を送っていた頃の自分がそれで、仕事がある程度軌道に乗って熱が収まりかけた時「新人」でなくなったのかもしれません。

「新人作家時代の素描 (8)」への2件のフィードバック

  1. 先月5年ほどいた現場がなくなり、去年から細々とやっていた就活が幸いし今月から新しい会社新しい職場に移りました。またもや新人になっている最中です。規模の大きい施設で覚えることが多くバタバタしていますが改めて設備管理という仕事の奥深さややりがい、面白さを感じている最中でもあります。
    先生含め作家さん等クリエイティブな業界の「新人」とは違いますが仕事に慣れても「熱(興味、向上心、学習意欲)」は心の片隅に常に持っていたいと思いました。
    それではまた。

    1. コメントありがとうございます。
      若い頃の「熱」は、何かを求める「渇望」から生れ出た気がします。歳を重ねると「熱」を持ち続ける事はなかなか難しくはありますが、お互いがんばりましょう。
      再就職おめでとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。