リアリティー回想記 「夢十夜」

もともとは創刊される予定の総合誌用読み切り漫画として依頼されたものが中止となり、スライドする形で週刊ヤングジャンプ月一シリーズ「リアリティー’88」の最初の作品として掲載される運びとなった事を覚えています。
かねてより夏目漱石の「夢十夜」、特に「第三夜」とラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「骨董」の中の「常識」という話を映像化(漫画化)してみたいという願望がありました。担当編集者との打ち合わせで「夢十夜」をやってみてはと承諾をいただき、ネームにとりかかりました。

やはり、夢の話です。「第三夜」単独では唐突すぎて読み物として成立しにくいと考えたので、漱石自身を主人公に据えて、「第八夜」の床屋の話を絡めることによりストーリーを膨らませ、展開させていきました。
完成した作品は、漱石先生にほっかむりをさせる結果となりましたが、「第三夜」のテイストをしっかりと味わっていただく事には成功したかなと思います。

尚、この作品は1998年浜島書店から刊行された現代社会の教科書副読本の「夢の精神分析」のページで多数のカットが引用掲載されました。高校の授業でご覧になった方もいらっしゃるのでは?

次回は「学校の怪談」について記したいと思います。

「リアリティー回想記 「夢十夜」」への2件のフィードバック

  1. 初めまして。N太郎と申します。
    長年のファンです。
    初めて先生の作品に触れたのは数十年前、書店で立ち読みしたYJ誌の読み切り漫画「かごめ」です。(年代、号、タイトルと後から調べて分かりました。)
    トラウマになりました。
    先生の単行本2冊はもちろん所有していて(一時は手離して)いずれの作品もお気に入りですが「かごめ」が収録していないのが残念でした。

    PC、インターネットをやるようになり「かごめ」が掲載されていた、YJ誌を購入しようにも数十年前の漫画雑誌の特定の号など見つけるのは困難でした。
    そこで探し方を変え国会図書館で探索し見つけコピーしてもらったのが早や2年以上前の2015年2月の休日のことでした。数十年来、探索、心の片隅で追い求めていたものが手に入り感激、興奮したのを覚えております。

    自分でも何でそんなに「かごめ」の事が気になっていたのでしょうね?初めて立ち読みした青年漫画誌で「かごめ」という作品の禁断的、淫靡、妖しい、サスペンス、ホラーな雰囲気が当時13歳の自分に魅力的に感じたのでしょうか。衝撃を与えたのでしょうか。

    それでは現在40代半ばの私に再びトラウマを与えるような作品を網野先生に
    出して頂きたいと思っているN太郎でございました。

    1. コメントありがとうございます。
      若書きの尖った感覚の作品ではありましたが、ご愛読いただいていたこと
      大変うれしく思います。
      頑張ります。

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