「学校」は、広大な敷地、多様な設備、授業中と休み時間、放課後の雑然、春夏秋冬と昼と夜など、様々な顔を持つ時空間です。
1987年当時買い求めた松谷みよ子先生の「現代民話考 第二期Ⅱ 学校 笑いと怪談・子供たちの銃後・学童疎開・学徒動員」(立風書房刊)は大変興味深い著作で、「学校」と「怪談」を考える入り口となりました。
一つ一つの「怪談」の事象は、掴みどころが無く他愛のない様な話ではありますが、「学校」という場所がその存在を意味ありげに見せていく「装置」となっているように感じ、そのからくりを描けたらと創作を始めました。