シルバーウイーク に‥‥

いつの間にやら『シルバーウイーク』という名称が口先に上るようになり、今年は立派な連休となりました。『シルバー』の語源は、敬老の日が絡んでいるからだろうと勝手に解釈していましたが、どうも違うみたいです。最初が『金』なら次は『銀』てなことでしょうか‥‥
その連休ですが、折しも台風25号の接近で、あいにくの天気となってしまいました。

ところで、天気予報での用語でも、近年登場して頻繁に使用されることとなったものがあって、それが同じ地域に長時間の降雨をもたらす『線状降水帯』でした。今では豪雨災害の原因として警戒される気象現象です。
さらに今年ですが、私の記憶にしっかりと刻まれてしまった用語が『アンダーパス』で、これも記録的な降雨と無関係な言葉ではありませんでした。
雨がただならぬ状況で降り続いただけで起こってしまった浸水や氾濫などの災害。その報道の数々を目にして、『温暖化』もいよいよ後戻りのできないところまで来てしまったのかと、不安を感じる毎日です。

社会における文化や慣習などが、その時代の高い位の人々から、やがては下々の人々へと伝播し広がっていくものだ‥という例えに、『水は高いところから 低いところへ流れて行く』と‥『水』を使った言い回しがあったように思います。
最近は、ニュースで雨水による浸水や氾濫の映像が流れる度にこの言い回しが脳裏をかすめ、雨がたくさん降る時には「このことを肝に銘じて行動しよう‥」と自分に言い聞かせています。

悪夢十夜~獏印百味魘夢丸~ (301)

第四夜〇遠足 ヒトデナシのいる風景 その百八十六

明日の死を覚悟した者が、今日という一日を‥‥
何事にも左右されず、邪魔させず‥‥
悔いなく生き尽くそうとしている‥‥‥ か‥

ぼくは、ヤツが言った言葉をゆっくりと頭の中で反芻(はんすう)し、それまでのヤツの指摘を加味しながら、ぼんやりとその意味を考えていた。

ヤツの例えた『死』ではないが、自分が今抱えている感情を突き詰めるしかできないことで漂い始めていた『破滅の気配』を、実は薄々感じ取っていた‥‥‥
この遠足を『楽しんでいる』つもりはなかったが、『娘を失ってからも容赦なく継続していく残酷な日常』からは、『束の間(つかのま)解放されている』という感覚は、確かにあった‥‥‥
しかし、『知らず知らずのうちに巻き込まれてしまった、通りすがりの第三者』あるいは『何も知らない善良な者』などと、自分を装っているつもりはさらさらない‥‥‥‥‥


「 やれやれ‥ 」 ヤツが不満の声を漏らした。
おそらく勝手に思考を読み取り、依然として煮え切らないぼくのそんな状況を知り、つくづく呆(あき)れ果てたのかも知れない。
「 ここまでおまえが、真に『自覚』することを、遥か遠くへ押しやってしまっているとはな‥。ここまで来てもまだそうやって平然と振る舞えているのはきっと‥‥、おまえが『おまえのヒトデナシ』に、人として親として夫として‥、到底(とうてい)看過(かんか)出来ない部分を全部、肩代わりさせているからだろうよ 」

「 道理(どうり)で『おまえのヒトデナシ』は‥ よく働くわけだ‥‥ 」 ヤツはつくづく得心(とくしん)したという様子で、そう付け加えた。

次回へ続く