悪夢十夜~獏印百味魘夢丸~ (140)

第四夜〇遠足 ヒトデナシのいる風景 番外編 キャラクターブック(1)

突然ですが、これからいよいよ佳境を迎える『遠足 ヒトデナシのいる風景』をより分かりやすくお読みいただくために 一度整理して置くという意味を込めまして、作中の登場人物などの解説をしてみたいと思います。

〇登場人物(ほぼ作中登場順です)

ぼく(ヒカリ)  お話の語り手であり、この『夢』の主(あるじ)である。夢の中では小学二年生として遠足に参加しているが、意識は大人のそれで、すでに結婚もしているらしい。年齢は不詳(ふしょう)。

モリオ  当初からヒカリと行動を共にしている友人。親友と呼ぶほどの親密感はない様だが、いわゆる『馬が合う』タイプのクラスメートらしく、ヒカリとのさり気ないやり取りが二人の良好な関係を物語っている。チョコレートが好物で、遠足にも五種類を持参し、事あるごとに一種類ずつ平らげていく。

フタハ  背が高く、大人っぽい雰囲気の女子。二年生になった春から、合唱部に所属している。

ミドリ  活発でおしゃべりな女子。やはり春から、合唱部に入っている。

ツジウラ ソノ  新学期に入って早々、クラスに転入して来た女子。フタハやミドリに誘われて、合唱部に入る。その容姿は、ヒカリが『ソラ』と呼ぶ少女に似ているらしく、彼女を見かけたヒカリを動揺させる。度々(たびたび)披露される歌唱力でもヒカリを魅了した。
水崎先生の携帯電話捜索には進んで参加し、的確な助言でヒカリとモリオをサポートしている。

タスク  昆虫採集が好きな小柄な男子。遠足にも、虫取り網を持参している。彼の虫取り網は、水崎先生の携帯電話捜索の際のヒカリ達の目印として利用された。

タキアラタたち  ヒカリが『一番エネルギッシュな奴ら』と称するクラスの男子のグループ。休憩場所の菜の花畑では鬼ごっこを始め、葉子先生に、花を損ねないようにと注意される。
芝生広場到着後は、芝生の上に前屈みの車座になってトレーディングカードゲームに興じる姿を、ヒカリに目撃されている。
ちなみに、菜の花畑の鬼ごっこの最中『朧月夜』を歌い出したタキも合唱部に所属している。

高木セナ  独特な言動の女の子で、周りの人間には年齢よりも幼いイメージを持たれている。そのイメージに母性をくすぐられるのか、一人では何もできないと勝手に誤解したクラスの一部の女子達は、必要以上に彼女の世話を焼きたがっている。途中の林の中の道で腕から血を流し、その傷を負わせたのが『人の手に見える虫』だったと言い出した。
ヒカリとは一年生の時から同じクラスで、彼女が持つ『特別な能力』を知ったヒカリは、その時から彼女に興味を抱き続けていた。大人になってから二人は久しぶりに出会い、ヒカリはそれを『人生にとって意味のある再会』だったと語っている。

草口ミワ  いつも高木セナの傍にいて、彼女の世話を焼いている女子の代表。高木セナが無口で引っ込み思案だと、端(はな)から思い込んでいる節(ふし)がある。

次回の、キャラクターブック(2)に続く