新人作家時代の素描 (4)

当初からお世話になっていた担当編集者さんが他の雑誌(ビジネスジャンプ)立ち上げのために移動があり、後任としてやはり同年代の若い編集者さんが私の面倒を見てくれる事になりました。

ある作家さんがデビューし集中連載が決まった際アシスタントが必要になり、私もその内の一人としてお手伝いに駆り出されました。
後任の編集者さんはこの作家さんの担当で、この時期や以降も色々とお世話いただいた経緯があって、私の担当にも付いて下さったのだと記憶しています。
幅広い分野に知識を持った聡明な方で、何よりも映画に詳しかった事は後々私の作品にもプラスに作用していたように思います。

そんなドタバタした時期に描き上げた作品が「カゴメ」です。
以下はそのイメージ・設定画やネームのトビラです。

 

 

 

 

 

次回は「カゴメ」の前編を生原稿からのデータでご覧いただくつもりです。

新人作家時代の素描 (3)

「歪みの構図」でデビューを果たしたものの、その後しばらくが今振り返ってみて一番苦しんだ時期だったように思います。

大学を卒業し既に社会に出ていた訳で、この世界で何とかしていかなければというプレッシャーが生まれていました。
更に自分の個性を見つめ直し、方向性を決め足固めをする必要を感じていました。
以下の絵はそんな模索の時期に描いたネームのトビラ絵や設定・イメージ画の一部です。

 

 

 

 

 

 

 

前回紹介した「俺の岬」などモノにならなかった作品、形になった作品様々です。

ここで一つの光明を見出せます。
提出したネームが当時の副編集長に「傑作」の評価をいただき本誌掲載が決定します。すぐに原稿執筆にとりかかりました。
その作品が「reality」です。

 

 

やっと抜けだせた長いトンネル。
私が「reality」を実質のデビュー作と考える所以です。