第四夜〇遠足 ヒトデナシのいる風景 その百六十九
嫌な予感が‥した。
そもそも‥ この遠足は、『自分自身がシナリオを描いた』ということで今はぼくも納得しているけれど、揺るぎなくはっきりと自覚できているわけではない。
事態が進展するごとに、「 ああ、なるほど‥ 」と腑(ふ)に落ちる程度のことなのである。
だからこの先、どんな結末がぼくを待ち受けているかなど、皆目(かいもく)見当もつかない‥‥‥
ぼくの『精神世界の捻(ね)じれや歪(ゆが)み』が『原因』で、やつはここに漂着した。
ここというのは、その『原因』の『結果』としてぼくが拵(こしら)えてしまった世界であるわけだが、ヤツがパートナーとして介入し事態を進行させることで、本当にこの『気持ちの悪い世界』の収拾(しゅうしゅう)がつけられるのだろうか? そして実際そうなった時、そもそもの『原因』であるぼくの精神世界は、いったいどうなるのだろうか?‥‥‥‥‥
「 ふん‥ しばらく黙り込んだままで、何を考えてる? 」
ぼくの様子を上目づかいで窺(うかが)っていた『葉子先生の顔』が言った。
「 い‥いや。何でもない 」
「 ふん! どうせ、オレの話をどこまで信用していいのか、考えてたんだろ? 」
「 いや!違うよ! 」 図星である。ぼくは慌てた。
ヤツには隠し事はできない。
「 ふん‥ おまえがオレを信用しようが信用しまいが、同じことだ。ここまで来たら、もはやおまえに選択肢(せんたくし)はない。だが心配は無用だ。パートナーとして、オレが最後まで付き合ってやるよ 」
「 ‥‥最後‥まで? 」 その言葉が、ぼくの心に敏感に響いていた。
「 ああ、最後までだ。 もうすぐ全ての準備が整うはずさ 」
葉子先生の顔をしたヤツが、ニタリと笑った。
次回へ続く