第五話「月の石」 その一
‥オリンピックの顔と顔
ソレトトント トトント顔と顔‥‥
1970年のこんにちは
こんにちは こんにちは 握手をしよう‥‥‥‥
1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博を唄った三波春夫さんの「東京五輪音頭」と「世界の国からこんにちは」の歌詞の一部です。
先月の事です。
2025年の国際博覧会の開催が大阪に決まったことをニュースで知りました。
2020年に「東京オリンピック」、2025年には「大阪万博」。
小学生の頃に体験した二大イベントが再びこの日本でコンビを成して行われるという感慨が、私にふたつの歌を思い出させたのです。
そして奇妙な感覚にもとらわれました。自分の人生がまるで「還暦」の様に一巡するんだという解釈です。
更には、この「ぼくらのウルトラ冒険少年画報」を綴っていた事にも運命的なものを感じたのです。
最も多感で好奇心にあふれていた小学生の私が、あの頃の「世界」から確かに受け取った「様々な難問からなる宿題」があったはずです。それらを時代が一巡しようとする今、「答えらしきもの」をいくつかまとめて提出するかもしくは、提出できない弁明をしなければならない期限がやってくるのだと‥‥ただ漠然と感じました。
冷戦、ハイジャック、ベトナム戦争‥‥‥‥
1970年、私は小学六年生になっていました。
そしてその年の夏休み、行列の中を2時間待って「アメリカ館」へ入り‥
確かに‥‥「月の石」を見たのです。
次回へ続く